ヒラメ班の研究成果(2014年度中間報告)

ヒラメ班の成果

 仙台湾では、浅海域(水深5~15m;成育場)と深場(水深15~100m)の環境変動がヒラメ資源変動に及ぼす影響を解明するため、ヒラメ稚魚~未成魚期の生息域のバリエーションと生態(成長、摂餌、生残)を調査する。丹後海湾奥部の砂浜海岸では、浮遊期に西方から輸送され4月中旬から5月上旬に着底する前期群(ふ化時期;2月下旬~4月中旬)と、5月中旬から6月中旬に着底する丹後海固有の後期群(ふ化時期;4月~5月中旬)の存在が認められており、異なる2つの個体群が、同じ成育場を、時期を分けて複合的に利用する機構を調べる。

今年度の進捗
 仙台湾では、6月18日に浅海域成育場で調査を行った。主要な餌であるアミは多く採集されたが、2013YC(2013年生まれ)は採集されなかった。6~7月に実施したトロール調査では、水深35m付近で2013YCが採取され、主にカタクチイワシを摂餌していた。今年度後半には、浅海域と沖合域の移動履歴を推定するために、耳石の元素同位体比分析を行う予定である。

 丹後海では、3月~5月まで毎月1回のヒラメ浮遊仔魚調査及び、4月~6月に5回のヒラメ稚魚・アミ類調査を行った。得られた標本については現在ソーティング及び測定中である。昨年度に採集されたヒラメ稚魚の胃内容物を分析したところ、稚魚は全長70 mmまではほぼアミ類を専食し、それを越えると急速に魚食性へ転換した。ヒラメ稚魚及び餌生物の窒素安定同位体比を丹後海と瀬戸内海(香川県で採集)で比較したところ、丹後海のヒラメ稚魚及び主食とするアミ類の窒素安定同位体比は、香川県で採集されたヒラメ稚魚とアミ類よりも明瞭に低かった。この原因として、主食となるアミ類の食性が異なるか(植食性と雑食性)、汚染度の高い瀬戸内海ではPOMの窒素安定同位体比のベースラインが高いことなどが考えられた。

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