相模湾長井沿岸における小型紅藻群落生物群集の調査➁ -ソーティングー

相模湾長井沿岸では、ワカメやコンブ、ホンダワラ類の群落など「目立つ海藻群落」の周辺、もしくは林床に、テングサ類、有節サンゴモ類、無節サンゴモ類など小型紅藻類からなる海藻群落が広範に形成されます。私たちは、毎月1回、これら小型紅藻群落に生息する生物を採集するために潜水調査を行っています。今回は、採集調査と研究成果の陰に隠れ、普段あまり語られないソーティングという作業を紹介します。

私たちは、エアリフトという水中吸引機をつかって、生物を海藻群落ごと吸い取って採集しています。そのため、目的の生物以外にも、堆積した砂やデトリタス、貝殻のような非生物試料も残らずすべて採集されてしまいます(写真1)。そこで、潜水調査を終え、陸に上がってから、まず「濃縮・分画」という作業を行います。膨大な試料を、ふるいを使って目的のサイズごとに分け(分画)、全体の試料を減らす(濃縮)、この作業がソーティングの準備として不可欠です。

 写真1

しかし、残念なことに、ふるいは生物と非生物まで分けてはくれません。ここからはひたすら試料と向き合い、自分の目で生物を選別する作業(ソーティング)となります(写真2)。生物の色が海藻によく似ていたり、巻貝の殻と引っ込んでしまったヤドカリの区別ができなかったり、やってみて初めてわかる様々な困難があります。それらを乗り越え、非生物試料の中から生物を見つけ出すときのわくわくするような気持ち(ときにうんざりするような気持ち)は、ソーティングの醍醐味といえます。

 写真2

このようにして、一辺25 cmの枠で切り取ってきた、混沌とした「自然」のなかから、だんだんと目的の生物試料が集まってきます(写真3)。眼も疲れ、腰も痛くなり、辺りが真っ暗になったころ、ようやく作業が終わります。

写真3

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