厚岸湾、厚岸湖におけるニシンの産卵場調査

北海道の日本海側や道東の風蓮湖周辺海域に生息するニシンでは既に産卵場が確認されていますが、我々が研究対象としている岩手県宮古と北海道厚岸周辺海域に生息するニシンでは、仔稚魚の成育場はわかっているものの産卵場は未だにわかっていません。今年度は宮古湾での産卵場調査に引き続き、4月と5月に厚岸周辺海域でも産卵場調査を行いました。

調査方法は宮古湾での調査と同じく船上から海藻・海草類を採集し、ニシン卵が産み付けられていないかを確認します。調査地である厚岸湾と厚岸湖は、春になると雪解け水の影響で透明度が悪くなるため、船上からでは海草・海藻類が見えません。そこで、アサリを獲るジョレンや普段は餌料調査に用いる広田式ソリネットを使い、手探りの状態で海藻・海草類を採集しました。


図1 アサリ漁に用いるジョレン


図2 広田式ソリネット


図3 海藻の採集。これがなかなかの重労働・・・

採集した海藻・海草類は研究所に持ち帰り、ニシン卵が付着していないか丁寧に観察しました。


図4、5 北水研厚岸庁舎の臨時職員さん総出で観察しました。

観察の結果、ニシン卵と思われる付着卵を見つけました。顕微鏡で確認したところふ化直前と思われる卵もあり、卵の中で仔魚がグルグルと動いていました。見つけた卵がニシン卵であることを確認するために卵を水槽内で管理しふ化させたところ、ふ化仔魚は全てニシン仔魚でした。


図6 ホンダワラに付着したニシン卵


図7 カワツルモに付着したニシン卵


図8 ふ化直前と思われるニシン卵。卵の中でキラキラ光る大きな目が見えます。

今回の調査でニシン卵が付着していた海藻・海草類は全て厚岸湖内で採集されたもので、厚岸湾では見つかりませんでした。産卵場は厚岸湖だけなのか??厚岸湖内でも毎年産卵する場所は同じなのか??ニシンの産卵生態や利用する生態系をより詳細に調べるために次年度もこの調査を実施する予定です。

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