ニシン班の研究進歩状況

我々が研究対象としている岩手県宮古湾と北海道厚岸周辺海域に生息するニシンでは、仔稚魚の成育場はわかっているものの産卵場は未だにわかっていません。今年度は両海域において,ニシンがどのような場所を産卵場として利用しているか野外調査を実施しました。ニシン卵は海藻・海草類に付着卵を産み付けることがわかっておりますので,船上から海藻・海草類を採集し、ニシン卵が産み付けられていないかを確認しました。宮古湾は透明度が高く海藻・海草の採集は順調に進みましたが,厚岸湾と厚岸湖は、春になると雪解け水の影響で透明度が悪くなるため、船上からでは海草・海藻類が見えませんでした。そこで厚岸海域では、アサリを獲るジョレンや普段は餌料調査に用いる広田式ソリネットを使い、手探りの状態で海藻・海草類を採集しました。
幸いにも,宮古湾・厚岸海域いずれにおいてもアマモやホンダワラ類に付着したニシン受精卵が採集され,両海域で初めてニシンの産卵場をみつけることができました。この成果は,卵から孵化したニシンがどのような生態系を段階的に利用しながら成育しているかを明らかにする上で大きな一歩となります。今後は,ニシンの産卵場を形成する環境要因を調べ,なぜニシンがその場所を産卵場として利用するのかを明らかにしていきたいと思います。また,仔稚魚調査や生息環境調査も例年どおり実施しており,ニシン班にとって飛躍の年になることが期待されます。

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