2013年度 新任メンバーの紹介

2013年度より、東京大学大気海洋研究所から1名、京都大学フィールド科学研究教育センターより1名が、新たに沿岸複合生態系プロジェクトに参加することとなりました。本記事では、それぞれの方に自己紹介をしていただきます。

三宅 陽一(みやけ・よういち)

 

東京大学大学院 新領域創成科学研究科・大気海洋研究所 兼任助教

 私は大学院生の時から継続してアワビ類の幼生分散と資源増殖に効果的な保護区のデザインについて研究を行っています。アワビ類は沿岸海域に生息し、幼生期にはプランクトンとして浮遊するため、その分散は流動環境に大きく影響を受けると考えられています。このため、現場における物理環境や幼生分布の調査、コンピューターシミュレーションを通して研究を進めています。最近では、この研究から派生する形で、内湾における仔稚魚の分散と水質の関係についても研究を始めました。また、新たに外洋にも研究範囲を広げ、幼生が数ヶ月から一年間に渡り浮遊するイセエビ類の回遊メカニズムの解明にも取り組んでいます。いずれの研究でも、共通して成体が沿岸海域に生息する種を対象としています。本プロジェクトでは、沿岸生態系の基盤となる海洋環境や生物生産・変動に深く関わる幼生分散の理解を進めると共に、それに基づいて生態系機能の再生・保全と持続的利用技術の確立に貢献したいと考えています。

学歴                                                   Florida Institute of Technology, College of Science and Liberal Arts, Department of Biological Sciences, Marine Biology                                   東京大学大学院 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 修士課程                                                                    東京大学大学院 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 博士課程

職歴                                                   東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学特定研究員                                                                                    水産総合研究センター 中央水産研究所 研究支援職員                                                                        水産総合研究センター 増養殖研究所 研究支援職員                                                             長崎大学大学院 水産・環境科学総合研究科 助教                                                              東京大学大学院 新領域創成科学研究科・大気海洋研究所 助教

澤田 英樹(さわだ・ひでき)

京都大学フィールド科学教育研究センター 研究員

2013年度より、本事業の主にナマコ研究担当として参加いたしました。

これまでは、砂浜海岸や汽水域の砂泥中に潜って生活する二枚貝(ハマグリ、シジミ等)が、どのような場所・どのような環境に多く分布するかについて調べてきました。二枚貝などの底生生物は、その生涯のごく初期に海中に漂う浮遊生活期をもつものが多くいます。この浮遊生活の時期から底生生活に移行する時期に、数が大きく減少します(初期減耗)。その主な原因としては、被食、変態の失敗、流れによって生息地の外に流されてしまうことが考えられます。ただ、この浮遊生活期の種の同定は顕微鏡によっても非常に難しく、生態に関する知見が非常に少ない状況にありました。これまでの研究ではこの時期に特に着目し、分子生物学的手法により二枚貝幼生の種同定の方法を確立しつつ、研究を進めてきました。

ナマコは近年の中国経済の発展により、水産資源的価値が高まっています。中国のみならず日本においてもナマコ養殖が盛んにおこなわれていますが、浮遊生活期に関する知見はかなり乏しい状況にあります。ナマコについてもその浮遊生活期をまずは集中的に調べたいと思っております。

《略歴》                                                2009年 3月 京都大学大学院農学研究科博士後期課程 単位取得退学                       2009年10月 水産総合研究センター水産工学研究所 研究等支援職員                    2012年 1月 京都大学博士(農学)                                     2013年 4月 京都大学フィールド科学教育研究センター 研究員

 

カテゴリー: 打ち合わせ,会議   パーマリンク

コメントは受け付けていません。